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住みたい街、住んで良かった街ランキングが役に立たない理由

   

住みたい街、住んで良かった街ランキングが役に立たない理由

 

住みたい街、住んで良かった街ランキングなどいろいろあるが

 
毎年、いろいろな条件で街のランキング発表がなされます。
 
住みたい街ランキング(SUUMO)
https://suumo.jp/edit/sumi_machi/2019/kanto/
 
住みたい街ランキング(LIFULL HOME’S)
https://www.homes.co.jp/cont/s_ranking/
 
街の住みここちランキング(いい部屋ネット)
http://www.kentaku.co.jp/sumicoco/
 
住みたい街最新ランキングで「三鷹が二子玉川を抜いた」ワケ
https://media.moneyforward.com/articles/2708
 
 
果たして、これらのランキングは役に立つのでしょうか?
 
なぜなら
 「何と比較して」住みたい街なのか
 「何と比較して」住んで良かった街なのか
疑問に感じるからです。
 
 
なんで疑問に感じるか、って??
 
だって、あなた
何回引っ越しをしたことがありますか?
 
比較して、ここが良かった、って言えるほどいろいろなところに住んでみたことがありますか?
 
アンケートに答える際、「何と比較して」良い悪いを答えているのでしょうか?
 
 

私は 7回引っ越しをしたけれど

 
私は大学入学に合わせて東京に上京してきまして、それからの 10年間は、おおよそ 2年ごとに引っ越しをしていまして、6回引っ越しをしました(引っ越しが 6回なので住んだ場所は 7ヶ所)。
引っ越しをした回数でみると結構多いほうだとは思いますが、それでも 6回。
 
6回目の引っ越しをした場所には 5年ほど住んだのち、マンションを購入して今のところに住んでいます。
なので、トータルで 8つの街に住みました。
 
7回も引っ越しをしましたので、それぞれの街がどんな感じだったのか、住みやすかったか、どこかに不満があったのか、それを答えることはできます。
 
でも、最初に住んだところと、6回目の引っ越しした場所では 10年間が経過しています。
そのため、比較する対象は、今住んでいる場所は今のリアルな街ですが、10年前に住んでいた街は 10年前のイメージで答えることになります。
 
10年も経てば街の雰囲気も大きく替わっていることでしょう。
10年も前のイメージで答えて、果たして、意味があるのでしょうか?
 
 

6回引っ越す間に 10年が経っている

 
また、その 10年間で私の置かれた状況は大きく変わりました。
上京してきた理由は大学に通うためです。
その後、専門学校に通ったり、就職をして、転職をして、結婚をして、子どもが産まれて...
現在は、マンションを購入して住んでいます。
(そのマンション購入の経緯を記したのが、このブログ「 」なわけですが。)
 
 
それだけ私の置かれた状況が大きく替わっていきましたので、住む街、部屋の周辺の環境、住む部屋に求める間取りなどに求めるものや避けたいものは大きく変わりました。
 
一人暮らしであれば一人暮らしをしやすい環境の方がいいでしょう。
例えば、コンビニが近いとか、駅が近いとか、会社まで近いとか。
 
でも、結婚をしたり子どもができると、スーパーが近いとか、学校が近いとか、校区の雰囲気がいいとか、公園が近いとか、幼稚園が近いとか、保育園に入りやすいとか、求めるものが変わってきます。
 
例えば、今は子どもがいますので、子どもたちが元気にはしゃいでいる声が聞こえてきても「元気な子どもたちだなぁ」と微笑ましく思いますが、一人暮らしをしていた頃に同じ状況に置かれたら穏やかな気持ちで聞けたかどうかは分かりません。
 
 
そんな状況を考えると、誰がどんな状況で「この街がいい」と答えたのか、その属性がわからないランキングに意味を見いだせるでしょうか?
 
 

通学や通勤先を考慮せずに住む場所を決めることはない

 
また、私は通学や通勤に時間を掛けるのは無駄だと考える人です。
なので、通学や通勤する場所が変わったときは、迷わず引っ越しをしてきました。
 
そこまで積極的に引っ越しをしない方であっても、例えば、新宿に会社がある人であれば新宿に乗り入れている路線の沿線に住みたいと思うでしょう。
大手町に努めている人であれば大手町に乗り入れている沿線沿いに住みたいと思うでしょう。
 
そんな個々人の事情を考慮せずに、品川に会社があるのに「三鷹が住みやすい街ですよ!」と言われても食指が動くでしょうか?
 
子育て世代なら、勤務先の場所も大事だけど、保育園に入りやすい場所とか、面倒を見てくれる親が住んでいる近くとか、そんな理由で選ぶこともあるでしょう。
 
 

住みたい街、っていうけれど「街」の範囲はどこまで?

 
また、「住みやすい街」と言っても、街全体を見て分かっている人、それに基づいて答えている人がどれだけいるでしょうか?
「『三鷹』が住みやすい」と言っても三鷹全体を評価できている方がどれだけいるでしょうか?
 
長年住んでいる場所でも、駅から自宅、近所のコンビニやスーパーはよく知っているけど、一本隣の道は行ったことがない、なんていうことも多々あるでしょう。
 
かく言う私も、今のところに住み始めて 7年経ちますが、つい先日、毎日通う駅までの途中にある道を初めて曲がってみました。
家族でランチをした帰りに、「ちょっとこの道通ってみない?」という話になったからでしたが、「うわぁ、こんなところにこんな大きなマンションが建っていたんだ!」なんてことを知りました。
 
 
なので、「住みやすい街」と言いつつも、街の雰囲気のイメージは、街全体ではなく、住んでいるその部屋、マンション(アパート)、および、その部屋の周りの環境、雰囲気に強く影響されるもので、街全体の住みやすさではないと言えるのではないでしょうか。
 
 

私にとっては住みよい場所だった

 
例えば、以前住んでいたところは、近くに葬祭場があり、お寺や墓地が多数あったことから家賃が安めのエリアでした。
ですが、歩いて 1分ほどのところにスーパーがあり、そのスーパーにはマクドナルドも入っていたため、一人暮らしをしていた私にとっては非常に魅力的な部屋でした。
 
また、駅から 11、12分ほど歩く場所でしたが、当時は会社まで自転車で通勤していましたので、駅までの距離は全く気になりませんでした。
 
また、その当時は仕事が忙しくて土日も仕事ということも多々ありましたし、休みの日であっても家の周りをウロウロするということはほぼありませんでしたので、家の周りにはスーパー以外では何があるのか詳しく知りませんでした。
なので、一般的に住みやすい場所だったのかどうかはよく分かりません。
 
駅前には大きな公園がありましたので、今なら子供を連れて頻繁に遊びに行ったかもしれませんが、当時は一人暮らしでしたので、会社の行き帰りに通るだけの場所でした。
 
例え、子育て世帯であっても、共働きなのか、専業主婦がいる家庭なのかによっても求めるものが違ってくると思いますので(幼稚園を求めるのか、保育園を求めるのか、とか。)、公園があるから嬉しい、となるとは限らないでしょう。
 
 

私にとっては印象が良くない場所だった

 
また、千葉県にあるとあるターミナル駅に住んでいたときは、駅の北口を出て繁華街の裏道を通った先にある線路沿いの家に住んでいまして、電車が通るたびにテレビの音が聞こえないような場所でした。
 
繁華街の裏道であっても危険な感じはしませんでしたが、男性と女性とでは感じ方も違うと思われ、女性だと裏道を通らずにちょっと遠回りでありながらも大きな通りを通って駅まで行くであろうことは想像に難くありません。
となると、不動産屋のチラシなどにある「駅から何分」という条件とは全く違う、と感じることになったでしょう。
 
また、私が住んでいたところは繁華街を抜けた先でしたので、あまり感じが良いところではありませんでしたが、駅の反対側には丸井やパルコなどがあり、買い物をするのにいい場所でしたので、駅の反対側に住んでいたならば、見える景色、感じる雰囲気はまた違うものになっていたでしょう。
 
 

同じ街でも住んでいる場所によって印象は変わる

 
そんな感じで、例え同じ街に住んでいたとしても、住んでいるポイントで街のイメージは全く変わるものでしょう。
生活のステージによっても全く変わってくるでしょう。
 
さらにいうと、その街がどんなにいいところであっても、隣に住む人が騒がしい人だったり、日当たりが悪い部屋だったり、大家が変わった人だったり、と、住んでいる場所で印象は変わってくるでしょう。
 
場合によっては、恋人に振られたのは住んでいたこの街のせいだ、なんてことを思う方もいるかもしれません。
 
 
なので、いろいろな方々にアンケートを取って、それを幅広い方々の意見として集めた「住みやすい街」というランキングは、見ても「ほほー。それで?」という以外に何があるのでしょうか。
 
トータルとして、この街はいいと感じる方が多いことは決して悪いことではないでしょうが、いろいろな意見を取り入れてしまったランキングであるがゆえに、誰にも役に立たないランキングになってしまっているのではないでしょうか。
 
 

意味がある街のランキングを作るには?

 
もし、意味があるランキングを作るのであれば、もっと属性を明確にして、条件を絞ったランキングにすればいいのではないでしょうか?
 
例えば、

  • 新宿に通勤している人で、子どもがいて共働きをしている、世帯年収 500~800万円の世帯が「住みやすい街ランキング」とか
  • 渋谷に通勤している一人暮らしで、平日に休みがあるサービス業、年収 300~600万円の男性が「住みやすい街ランキング」とか
  • 新宿歌舞伎町で夜のお仕事についている、年収 1,000万円超の女性が「住みやすい街ランキング」とか

 
より具体的な条件の方々にアンケートを取ってランキングをしたものであれば、自分が求める属性のランキングであれば「なるほど、今度引っ越しをするときに見に行ってみるか」と参考になりやすくなるんじゃないかと思います。
 
 

住みたい街ランキングは不動産業界の広告の一つ

 
で、何がいいたいか、といいますと、最初に挙げたような「住みたい街」「住みやすい街」のランキングは、不動産業界の方々が売りたい街、売りたい物件があるエリアなんだろうな、と感じることです。
 
ファッション業界が、毎年新しいトレンドを発信し、毎年新しい流行を作り出す理由は、毎年服飾を買い替えてもらうためマーケティング施策の一環です。
今年はこれがトレンドなので、今年はこれを買いましょうね!という雰囲気を醸成しているわけですが、同じ様に不動産業界も「住みたい街ランキング」などを発表することによって、「引っ越したい!」という欲求を喚起しているのだろうと感じるわけです。
 
なので、「住みたい街」「住みやすい街」のランキングは、広告としてみるのが正しいのであろうと、思えて仕方がないワケです。
 
 
実際に住む街の比較は、スイーツやレストランなどの様に気軽に比較ができるわけではないので、ランキングが気になるとも言えますが、個々人にとっては、そのランキングが本当にそうなのか、確かめる方法もないワケなので、気にする必要はないランキングと言えるのではないでしょうか。

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