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元利均等と元金均等、期間短縮と返済額軽減・元住宅ローン担当銀行員が語る住宅ローンの選び方

      2014/09/11

住宅ローンの組み方「元利均等」と「元金均等」、「期間短縮」と「返済額軽減」

 

住宅ローンを組むときに重視すべきこと

 
このブログでも記事にしていますが、改めて、住宅ローンを組むときの考え方の一つを示したいと思います。
 
この記事は、元住宅ローン担当の銀行員が語ったことを元に記事を書いていますが、結局は妻が言っていたことを記事にしただけです(笑)。妻が住宅ローン担当の元銀行員なので。
 
とはいえ、10年弱の期間、住宅ローン担当として多くのお客さんと接してきた経験を元に行き着いた結論ですので、その考えは非常に重要なものだと感じています。
 
 
結論
35年間リスクなく返済を続けられること。
 
これが一番大事なこと。
 
 

「元利均等」と「元金均等」

 
http://www.nomu.com/loan/story/05.html
 
ローンの借り方には「元“利”均等」と「元“金”均等」とあります。
その違いは上記の「ノムコム」のページが分かりやすいですが、全体の返済額を一定にするか、元金の返済額を一定にするか、の違いです。
 
そして、「元金均等返済」以外ありえない、と言うのが元銀行員の主張です。
 
理由は、元利均等返済では最初の数年間はほぼ元本が全く減らないためで、長期間リスクが高い状態が続くためです。
また、元金均等返済は最初の方が返済額は高いのですが、最初から元本も減ることで少しずつリスクを減らしていくことが出来ます。
最初の返済額が高いことで元金均等返済を敬遠する方も多いそうですが、元金均等返済でも返済できる額までで借りる額を抑えることこそがリスクを減らすポイントです。
 
 

「期間短縮」と「返済額軽減」

 
http://www.nomu.com/loan/story/08.html
 
繰り越し返済にも「期間短縮」と「返済額軽減」とあります。
この違いも上記の「ノムコム」が分かりやすいですが、繰り越し返済をすることによって減った借入額の調整を、返済額はこれまでと同じで返済する期間を減らすことで対応するのか、返済する期間はこれまでと同じで返済する額を減らすことで対応するのか、の違いです。
 
これについても「返済額軽減」一択だ、と言うのが元銀行員の主張です。
 
理由は、月々の返済額は月々の返済が難しくなってきた場合は銀行と協議の上で減らすこと(調整すること)は不可能ではないのですが、返済期間は一度短縮すると二度と元に戻すことが出来ないからです。
 
住宅ローンは 20年、30年と長い期間をかけて返済していくものですが、その間に何が起こるか分からないため、返済期間は長いままの方が圧倒的にリスクが低い、と言う判断です。最悪ローンの支払いが滞っても、ローンの最後の支払期限が来るまでは住宅ローンの顧客として対応してもらえる可能性がある、と言うことです。
 
もちろん、返済期間が長いとその分の金利支払いは発生しますが、月々の返済額が減った分は次の繰り越し返済用の資金として貯蓄をしていき、元金を減らしていくことによってその支払い金利を減らしていくことで金利負担を減らしていく、と言う考え方です。
 
これらはローン担当の銀行員として、長年多くのお客さんと接してきたことで得た教訓ということになるのでしょう。
 

 

住宅ローンは損か得かではなくリスクが高いか低いかで考えるべき

 
“銀行言いなり”の住宅ローン返済計画は、大損か
http://president.jp/articles/-/13090
 
こんな記事もありました。
このプレジデントの記事もそうなのですが、住宅ローンに関する記事のそのほとんどが「損か、得か」という視点で書かれていますが、「リスクが高いか低いか」という視点が抜け落ちてしまっているのです。
 
住宅ローンは 20年、30年と言う長期に渡って返済を続けていくものですので、その間、何が起こるか分かりません。
 
雇用の流動化も盛んになってきて、10年、20年と同じ会社で働き続けることが出来る保証はありませんし、会社自体が存続できているかも分からない世の中になってきています。
 
そのような世の中でリスクを最小限にすることこそが最大の得だ、と言うことが住宅ローンを担当していた元銀行員の教訓なのです。
住宅ローンの返済が出来なくなり、家を手放さざるを得なくなる状況こそが最大の損失なわけですが、そういうお客さんを多く見てきているからこそリスクを最小にすることが大事だと感じるのだと思います。
 
 

一番いい家の買い方

 
ちなみに、もっとも損をしない家の買い方は現金一括払いです。
そして、最強のローンの組み方は親ローンの活用であったりします(笑)。
 
 
なぜって、賃貸と持ち家の比較でよくあるのは、持ち家は住宅ローンを組んで買うことを前提で比較してあり、それで釣り合うわけですので、持ち家を一括キャッシュで払えれば、住宅ローンの分圧倒的にコストが安いわけです。
 
そして、その一括キャッシュで買うためのお金をどこから用意するか、っていうと親から調達したらいいのではないでしょうか?と言う話です。
もちろん、そんなお金がない場合がほとんどだと思いますが、相続対策も含めて二世代住宅を建てるとか、二世帯用のマンションにするとか、そんなところも含めて検討することも一つではないでしょうか。
 
 

固定金利と変動金利

 
ちなみに、固定金利と変動金利では、どちらを選ぶかは好みの問題だと思います。
20年後、30年後の金利水準を正確に知りうる方法がないワケですので、どちらがよかったかは完済したときにしか分からないわけですから。
 
ただ、今は変動金利の金利が低いから変動にしておいて金利が上がってきたら固定に切り替えよう、との考えを持っている方はその考え方は捨てた方がいいでしょう。
金利の支払い方法を変動から固定に切り替えるのは、支払方法を切り替えるだけ、と思っている方も多いと思いますが、それは間違いで、新たにローンを組み直すことになるわけです。
 
新たにローンを組み直すわけなので、ローンの審査は一からやり直しですし、ローン申し込みの手数料など新たに発生します。状況によっては審査に通らない場合もありますし、手数料は借り換える額にもよりますが 100万円を超える場合もあります。
そのため、金利が変わってきたら切り替えればいい、と言うことは想定せずにローンを組むべきです。
銀行の担当者などが「後から切り替えればいいですよ」と言うのは、住宅ローンを切り替える際に銀行には手数料収入が入るからでもあるでしょう。
 
 
20年後の金利は誰にも予想できませんが、私の個人的な見解ですが、日本の人口は確実に減っていきますので、円安は進み公定歩合は上がり続けると予想していますので、金利は上昇していくものと考えています。
つまり、固定金利の方が有利になるだろうと考えています。

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