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都心マンションに駐車場は必要?5年で劇的変化の駐車場事情と管理組合費

      2015/05/30

都心マンションで駐車場はお荷物に

 

時代は大きく変化し最新の情報でマンション選びを

 
私がマンションを購入した 5年ほど前までは当たり前のように「駐車場がないマンションは負担が大きいために避けるべき」と言われていました。
 
 
ですが、最近は、都心のマンションの住人は車を必要としない生活をしている人が増えてきて、駐車場の空きが目立つようになり、管理組合の収入になるはずだった駐車場が逆に負担になってきている、という記事が目立ち始めています。
 
具体的には下記のような記事です。
都心マンションで深刻化 駐車場ガラガラで住民負担アップ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/152696
 
そのため、2014年の現在でマンションの駐車場はどういう状態になってきているのか、について確認をしてみましょう。
 
 


 

マンションを所有することでかかるコスト

 
マンションを保有してかかるコストとして、下記のものがあります。
 ・月々のローン返済(ローンを組んでいる場合)
 ・固定資産税
 ・修繕積立金
 ・管理組合費
 
このうち、マンションの駐車場、駐輪場からくる影響は「管理組合費」です。
 
管理組合費は、マンションを維持管理するためのマンションの管理組合を組織し、その組織の維持、及び、マンションの清掃や日々のメンテナンスなどマンションの建物の維持のための費用を、住人全体で少しずつ負担している費用のことです。
 
基本は、住人自らがお金を少しずつ負担することで賄われるものですが、加えて、駐車場や駐輪場がある場合は、それに支払われる費用は、管理組合の収入になるようになっています。
(駐車場、駐輪場などの共有スペースはマンション管理組合が所有し、それを住人に対して貸し出している、という形をとっています。)
 
また、駐車場だけではなく、大きな通りに面しているマンションなどは、1階にコンビニが入っていたり、ファミレス、その他商店が入っていたりしますが、それらの家賃収入も管理組合の収入となるため、管理組合費が低く抑えられている場合があります。
 
ただ、その分、分譲として売却される住居部分が減りますので、住居部分の売値は高めに設定されているものだと思いますが。
 
 
そのため、広めの駐車場があることで管理組合費の負担が抑えられるメリットにつながるため、これまでは、マンションを買う際には駐車場の有無を確認し駐車場があるマンションを選びましょう!と言われてきました。
 
マンションの駐車場収入がしっかりあることで、管理組合費がさえられ、さらに十分な収益につながれば、大規模修繕などの際の負担増につながることもありません、という理論です。
 
これは、非常に広く言われていたことで、今でも十分に通用する場所は多々あるでしょう。
 
 

都心部では車離れが進んでいる

 
ですが、都心はすでに様相が違ってきているのです。
 
それが先に説明した駐車場の記事です。
 
 
都心では車を使わなくても十分に生活が成り立つため、わざわざ車を保有しようという方が減ってきていて、駐車場が埋まっていないマンションも増えてきました。
 
そうなると、どうなるかというと、本来想定していた駐車場収入が入ってこなくなり、管理組合費が不足してくる事態につながる、というわけなのです。
もともと駐車場の収入があることを前提で管理組合費を計算していたわけですので。
 
そうすると徐々に管理組合費が上昇していき、当初想定していなかった負担増につながる、というわけなのです。
 
これが、平置きの駐車場であれば、それ以上に問題になることはないのですが、機械式の駐車場の場合は、機械をメンテナンスする必要もでてきます。
誰も借りていない駐車場であっても、そこに月々費用が発生し、駐車場収入以上に費用負担が発生するというダブルパンチに陥ったりもするわけです。
そもそも都心部のマンションの駐車場で平置きだけの駐車場はめったにありませんからね。
 
 


 

マンション駐車場に関連する税金

 
だったら、マンションの住人以外に駐車場を貸せばいいんじゃないか?と思う方もいるかもしれませんが、それが一筋縄ではいかない事情があったのです。
 
それは税金です。
 
マンションの駐車場は、管理組合が保有しそれを住人に貸すという営利事業として考えられています。
そのため、そもそも駐車場を貸すという事業は課税対象となるものなのですが、特例として、管理組合の構成員である住人に対して貸す場合は課税対象にしないという規定があるため、住人に対しては税金を気にせず気軽に貸せるのです。
 
しかし、この特例規定には「外部の者は使用していないこと」という規定もあるため、これまでは一区画でも外部のものに使用を認め、駐車場料金を取る場合は、駐車場全体が営利事業として課税対象になる、とされていました。
 
つまり、10区画あるうち、9区画は住人が使い、空いている 1区画だけ外部に貸し出したとしても 10区画全部が営利事業として扱われ、10区画分全体の収入に対して課税されるということになっていたのです。(もともと非課税だった 9区画分も課税されることにより駐車場収入増加分より税金の支払いの方が多くなり、何のために外部に貸し出したのか分からない、という事態に陥りかねない状況になっていたのです。)
 
 
ただ、この考え方も税務署によって異なる見解を持つところもあるなど、法的に明確な決まりがあったわけではなかったことから、多くの問題も起こっていました。
そして、マンションの管理組合は、リスクを避けて一部の区画に空きスペースができたとしても、外部に貸すという判断をすることが難しかったのです。
 
 
そして、この問題に対して、2012年2月3日に国税庁のホームページに掲載されたリリースにより明確な指針が示されました。
 
ケース1(内部貸し外部貸し共に課税)
募集は広く行い、使用許可は、区分所有者であるかどうかを問わず、申込み順とする。
使用料金、使用期間などの貸出し条件において、区分所有者と非区分所有者との差異がない。
 
ケース2(内部貸し不課税、外部貸し課税)
区分所有者の使用希望がない場合のみ非区分所有者への募集を行い、申込みがあれば許可する。
貸出しを受けた非区分所有者は、区分所有者の使用希望があれば、早期に明け渡す必要がある。
 
ケース3(不課税)
区分所有者の使用希望がない場合であっても、非区分所有者に対する積極的な募集は行わない。
非区分所有者から申し出があり、空き駐車場があれば、短期的な非区分所有者への貸出を許可する。
 
 
これにより、より積極的なマンション管理組合は規定を変更し、駐車場の外部貸し出しをすることによって落ち込んだ駐車場収入の立て直しに動いていくところも出てくるでしょう。
そのため、最初に書いた記事の内容も少しずつ状況が変わっていくものと思います。
 
そのため、単純に駐車場があるなしだけで管理組合費の負担が大きいか小さいか、という判断はできにくくなると考えられます。 
 

 

マンション管理組合として積極的な取り組みがマンション価値に影響する

 
とはいえ、大半の駐車場が空いているという状況ではない限り、「ケース2」を採用すると思われますが、その場合でも住人優先であることには変わりなく、住人が必要になった場合には駐車場を明け渡してもらう必要があるため、それも含めて外部に貸す場合は相応のメリット(大半は駐車場料金の値引きでしょう)がないと契約には至らないと考えられますので、最初に想定していた通りの駐車場収入が期待できるかどうかは疑問が残るでしょう。
 
そもそも住人に対する駐車場料金が格安に設定されていた場合は別でしょうけども。

 - マンション市況分析レポート

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